機内の環境(湿度編)

航空こぼれ話

みなさんこんにちは!エアライン機長のGOROです👨‍✈️

先日、機内の環境(ウイルス編)をアップしましたが、今回は機内の環境(湿度編)をシェアしたいと思います。

湿度について

人間にとって快適な湿度とはどの程度なのでしょうか?

一般的には40〜60%が快適に過ごせると言われています。40%を下回るとウイルスが活性化し、60%を超えるとカビが増えたりするそうです。

では東京の平均湿度はどのくらいでしょか?? 気象庁HPから調べると次のグラフの通りで概ね冬以外では湿度が多いと言えるようです。

2019年の月別の平均湿度

これは平均ですので晴れの日も雨の日も含んでいます。気温の上がる日中は湿度が下がり、夜間は反対に上がります。体感的にも冬で湿度60%近くというのはちょっと違うなあと感じました。そこで最小湿度の平均も調べてみたものが次のグラフです。

2019年最小湿度の月別平均

カラカラの東京の晴れた冬の日のイメージですとこれくらいが体感と同じかなと思いました。カラカラのイメージのあるサハラ砂漠でも平均湿度は20%くらいだそうです。東京の冬〜春の乾燥した日はサハラ砂漠と同じくらい乾燥しているといっても過言ではないようです。

機内の湿度について

東京の湿度がわかったので次は機内の湿度についてです。

はっきりとしたデータはありませんでしたので湿度計を持ち込んで実際の機内の湿度を測定してみました。

乾燥する機内。実際の湿度はどれくらい?
機内の湿度

B737/777 10%程度。長時間になると5%近くまで下がった

B787 20%程度。長時間になっても15%程度だった。

機内の湿度はカラカラの東京の冬や春の日よりもさらに乾燥していました。

なぜ機内は湿度が低いのか?

飛行機が飛ぶ上空はとても気温が低いです。マイナス50〜60℃にもなります。

そのまま機内に取り入れると大変なことになるので、エンジンのタービンで圧縮した空気と外気と混ぜて適切な温度にしてから機内に流しています。

空気は圧縮すると温度が上がるのでその性質を利用しています。

一つ一つのタービンが高速回転して空気を圧縮している。その一部を空調用に使用している。

マイナス50℃の空気の中には低温のため水蒸気などの水分はごくわずかしか含ませていません。それをさらに加温して機内に取り込んでいるので機内は非常に乾燥してしまうのです。

また湿度が高い状態は飛行機の構造部品であるアルミ等に腐食が起こりやすくなるという理由もあり、飛行機の中の湿度は低い状態の方が好都合という側面もあります。

なぜB787は湿度が他機種より高いのか?

加湿器があるから!?

これは半分正解で半分不正解となります。加湿器は水を蒸発させて室内に放出することで湿度を上げていますが、B787には加湿用の水タンクはありません

ではそうやって加湿しているかというと、湿った空気の再循環です。言ってしまえば人の吐く息の湿度を利用して加湿しているのです。

湿った空気と乾燥した空気を比較すると、実は湿った空気の方が軽いので、機内では上部に湿った空気、下部に乾燥した空気という分布になります。

その湿った空気というのは人の吐く息や体から蒸発した水蒸気からの水分が多く含まれていいます。

機内上部にある湿った空気を集めて再循環させる仕組みがB787にはあり、これにより機内を加湿しているのです。

機内の湿度が他機種より高いB787

湿度が低い状態が人体に与える影響

ウイルスが活発になるので風邪などにかかりやすくなります。

これはあくまで乾燥した状態での一般的な話で、先日の機内の環境(ウイルス編)でお話しした通り、機内では換気が強力にされているので問題はありません。

また髪や肌がパサつくなどの悪影響や喉の乾燥からイガイガと不快感が起こったりします。

乾燥が人体に与える影響は?

体感温度にも違いがあります。同じ24℃でも湿度が低い方が涼しく(寒く)感じます。機内が寒く感じるのは湿度が低いことも一因だったようです。

さらには血中の水分が不足すると血栓ができやすくなりエコノミークラス症候群の危険性も上がります。

静電気も発生しやすくなります。


今回の記事を書いての私GORO機長のオススメは、飛行機に乗る時はいつもより水分を多く補給して、寒く感じやすいので服装を工夫し、B787を選ぶというのがオススメになります。

最後までご覧いただきありがとうございました。またのご搭乗お待ちしております👨‍✈️

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