みなさんこんにちは!GOROです👨✈️
今回は計器の見方④回目ということで、旋回編です。旋回、ターンする時の計器の具体的なスキャンの方法について考えていきます。
計器の見方①〜③をお読みでない方は是非そちらもお読みください!「スキャン」とは何かをシェアしております。
旋回の時のスキャン
旋回の時はどの計器を見ればいいでしょうか?このような指示が来たとします。
速度100ktで5000ftをキープして30°バンクで360°ターンしてください。
100ktを守るのだから速度計を見て、5000ftを守るために高度計を見て、360°を確認するために方向計を見て...
このように考えた人?これはパフォーマンス計器の罠にハマっています!!!
100kt、5000ftというパフォーマンス計器の値は、コントロール計器であるピッチとパワーの結果作られるものです。旋回中だとピッチで高度を守り、パワーで速度をキープするイメージです。
では「旋回」を「ロールイン」「旋回中」「ロールアウト」の3つの場面に分けてスキャンの方法を見ていきますが、まずはバンクの読み取り方を確認しておきましょう
バンクの読み取り方
飛行機の操縦桿を横方向に回すと、飛行機が傾きます。その時の計器の表示は、外側の白いメモリが動いていきます。黄色い部分は固定です。黄色い矢印は飛行機の背中の真上、白い矢印は天頂(空の真上)を表しています。青い背景は空、茶色は地面を表しており、バンクを入れると境目の水平線は傾いていきます。
ただし計器によっては黄色い矢印が天頂で白い矢印が自機の真上を表すタイプの物がありややこしい場合もあります。そんな時でも、ミニチュアエアプレンの傾きや水平線の傾きは変わりませんし、操縦桿を右に倒したら右に傾いて右旋回するという大原則は変わりませんのでわからなくなったらこれらを参考にすると良さそうですね。
私は某社の採用試験でこのバンクの読み方を間違えて、右旋回と左旋回を間違えた苦い経験があります。。。
ロールインでのスキャン
「ロールイン」とは旋回するためにバンクを入れる(飛行機を傾ける)ことです。旅客機の旋回では通常25°バンクがつかわれています。訓練では計器の表示が読み取りやすい30°バンクで行われることが多いと思います。
「ロールイン」の時は、操縦桿を傾けつつピッチを少し上げます。飛行機を傾けると高度を維持するだけの揚力が足りなくなるのでピッチを上げて揚力を補う必要があります。ピッチとバンクのコントロール計器に注意を払いながらロールインしていきましょう。
さらに旋回で空気抵抗が増えるので速度も低下していきますので、速度を維持するためにパワーを少し足す必要があります。足す量は上昇するときと比べるとわずかです。1目盛りくらい足して様子を見ましょう。
ただし、速度が落ちてくるのはゆっくりとなのでまずはピッチ、バンクを確立してからスピードを見るイメージでもいいですし、だいたいのパワーを入れておいてピッチ、バンクを確立させてスピードを確認する方法もあります。
まとめると「ロールイン」の時のスキャンは下図のようになります!
ピッチ/バンク⇄高度を2周くらいして、パワー⇄SPDを1周くらいの配分でいいと思います。
旋回中のスキャン
ロールインで旋回のための姿勢が入ったら、旋回中はそのピッチとバンク、パワーを維持できるように努めます。飛行機には安定性があって傾いたら自分で水平に戻そうとする力が働くのでバンク角は放置すると浅くなりますし、同様にピッチも下がってきますので操縦桿を傾け、手前に引き続ける必要があります。この操作を「バックプレッシャーをかける」と言います。
ずっと操縦桿を傾けて引き続けるのは難しいですが半分は気合です(笑)操縦桿を握っている腕の肘を肘おきに固定すると安定度は上がると思いますので、脇を占めて肘を固定してやってみてください!
スキャン自体はロールインの時とほぼ変わりませんが、今どのヘディングを向いていて、旋回を終了するヘディングはどこかを確認する必要があるので方向計をたまにスキャンしましょう。ただし、重要度はピッチやバンク⇄高度計のスキャンが1番、2番目がパワー⇄SPD、3番目に方向計くらいのイメージです。
ロールアウトでのスキャン
最後は旋回の終了、ロールアウトです。ロールアウトはバンク角の約半分前から開始すればいいと言われています。例えば30度バンクで旋回していたら約15°手前から徐々にロールアウトすれば目標のヘディングに向かえるということです。
スキャンの方法はロールインと同じでいいかと思います。
目標のヘディングの約15度前からバンクを戻し始めてください。ピッチも水平飛行のピッチまで少し下げます。パワーも旋回用のパワーにセットされているので少し絞ります。
ロールインと同様に、SPDはすぐに大きく変化しないのでバンクとピッチを戻しながら高度を変化させないことが最重要です。
ピッチ、バンク⇄高度計を2周したら、パワー⇄SPDを1周するイメージでいいです。
最後にロールアウトが終了したら、高度、SPD、ヘディングのずれを微調整して所望の値に合わせます。
この細かいズレを修正しようとする修正意欲は訓練においては非常に見られています。
旋回編は以上です。上昇や降下と比べると易しいのかもしれませんが、レベルアップすると上昇+ターンや降下+ターンの科目もあります。それぞれのスキャンができていればおのずとできると思います。
この記事がみなさんのスキャンの手助けになれば嬉しいです。ありがとうございました👨✈️
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