飛行機の計器の見方③【降下編】【飛行適性検査対策にも】

パイロットになるには

みなさんこんにちは👨‍✈️

今回は飛行機の降下の場面における効率的な計器のスキャンの方法を考えていきます

スキャンについてはこちらをどうぞ。

降下の時のスキャン

降下の時のスキャンは上昇の時と似ています。上昇の反対です。上昇がピッチを上げてパワーを出したので、その反対のピッチを下げてパワーを絞ればOKです。

上昇編はこちらからどうぞ!

それでは教官から「100kt、500fpmで1000ft降下してください」と指示が来ました!

計器のスキャンを練習していきましょう!

降下開始〜降下姿勢確立まで

操作の前に水平飛行している時のピッチとパワーの値をだいたいでいいのでチェックしておきましょう!降下から水平飛行に戻る時にその値に戻せばいいからです。

水平飛行から降下に移る時間も上昇と同じく3〜5秒くらいのイメージです。この間はコントロール計器である姿勢計とパワーの計器を見るだけでもいいです。

飛行機によって異なりますが、500fpmの降下ならピッチは2度くらい下げ、パワーは5目盛りくらい減らしてパフォーマンス計器がどうなるか様子を見てみましょう。

777や787のようなフライバイワイヤのシステムを搭載した飛行機でなければ、パワーを絞るとピッチも下がります。ピッチを下げようと操縦桿を押しすぎるとパワーを絞ったことによるピッチダウンの影響と重なって思った以上にピッチが下がってしまうことがあるので注意してください。パワーを絞ってピッチが下がる力を利用してピッチを下げるイメージもいいかもしれません。

数ある計器の中でピッチが最重要なので、ピッチをスキャンする頻度と時間を多めにしましょう!

バンクが入るとヘディングもずれるのでバンクが入らないようにも注意しましょう。操縦桿を動かすのは片手での操作になりますのでどうしても知らず知らずの間に操縦桿を傾けてしまいがちです。操縦桿を真っ直ぐ引くようにイメージトレーニングするといいかもしれません。

降下の姿勢を確立するまでは、ピッチ、バンク、パワーと心で唱えながら計器のスキャンをするといいと思います。

コントロール計器?パフォーマンス計器?上昇編にて解説しています。

降下姿勢が確立できたら

降下の姿勢ができたらスキャンは基本的に上昇と同じ感じでOKです!

降下の姿勢ができたら次はパフォーマンス計器を確認して姿勢とパワーの修正にあたります。上昇の時と同じようにパフォーマンスがズレた時の場合分けをしてその時の対応をイメージしていきましょう。例えば速度が95kt、レートが600fpmで降下していたらどうやって100kt、500fpmに合わせるかです。

  • レート大、スピード大 → ピッチ低い、ピッチ上げてパワーは様子見。
  • レート小、スピード小 → ピッチ高い、ピッチ下げてパワーは様子見。
  • レート小、スピード大 → ピッチ高いパワー多い、ピッチ下げてパワー絞る
  • レート大、スピード小 → ピッチ低いパワー少ない、ピッチ上げてパワー出す。

以上のように各場合分けをしましたが、この文字を見てもよくわからないと思います。そこで次のイメージを持てば自分で場合分けができると思います。

降下=下り坂です。ピッチで自分で下り坂を作ります。その下り坂で降下率が決まります。降下率(レート)が大きければ下り坂が大きいのでピッチを上げる。レートが小さければ下り坂が浅いのでピッチ下げて下り坂を深くする感じです。この勾配のある坂をパス(PATH)と呼んだりします。

ピッチでパス、パワーでスピードをつくる

あとは下り坂を下るスピードをパワーで合わせるイメージです。スピード大きければパワー絞る、スピード足りなければパワー出す。

このイメージを持ってもう1度先ほどの4つの場合分けを見てもらうと、すんなり頭に入ってきませんか? まずはレートをだいたい合わせてからスピードを合わせます。

細かいことを言えばスピードも変わればピッチも変わるじゃないか!というのもありますが、10ktで50fpm変わるくらいですので、まずは大まかなイメージを掴む方が大事です。

スキャンのフローは上昇と同じです。コントロール計器のピッチ、バンク、パワーをセットして、パフォーマンス計器のスピードとレートを確認して、その結果をコントロール計器に反映していきましょう。

スキャンのイメージ

ピッチ、バンク、パワー → スピード、レートの繰り返しを呪文のように唱えながらスキャンしていくと飛行機の動きが落ち着くはずです。落ち着いたらヘディングと高度計もたまにスキャンしていきましょう。

降下から水平飛行への移行

水平飛行に移ることをレベルオフと言います。レートの1/10くらい手前からレベルオフ操作をすればいいと言われていますので、500fpmの降下なら50ft手前から操作でいいことになります。

スキャンの方法としては降下に入る時とほぼ同じです。

降下前に見た水平飛行の時のピッチとパワーに約50ft手前から戻していきます。レベルオフの操作で操縦桿を引きますが、この時にバンクが入ってヘディングがずれてしまいやすいのでバンクにも注意してください。

レベルオフも降下開始と同じように3〜5秒間で、ピッチ、バンク、パワーと唱えながら計器のスキャンをするといいと思います。


どちらかというと基礎訓練向けの内容で、採用試験の飛行適性検査でこれを理解してされている人はほぼいないと思われますので内容全て理解する必要はありませんが、大体のイメージ作りに役立てばと思い書かせてもらいました。

繰り返しですが、おすすめの方法は計器の絵をプリントアウトしてそれを見ながらスキャンの練習をすることです。パイロットは訓練の時には紙レーター(シュミレーターを文字ったのでしょう)という紙に印刷した操縦席に向かって練習しているので興味ある方はぜひ取り入れて見てください。


降下編は以上です。最後までありがとうございました👨‍✈️

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