みなさんこんにちは! エアライン機長のGOROです👨✈️
コロナウイルスの猛威はなかなか終わりが見えませんね。
コロナ禍の中での飛行機をご利用されるにあたり不安を感じられる方も多いですので、今日は機内の環境、ウイルス対策についてシェアして参ります。
機内のコロナ対策について
換気
飛行機内は密室で感染が広がるのではないか?と思われる方も多いと思います。
しかし、実際のところは2〜3分で機内の空気は新しい空気に入れ替わっております。
下の図には描かれていませんが、一部の空気は機内を循環する流れもあります。
その空気を循環させる装置の途中にはHEPAフィルターというフィルターが使われております。HEPAフィルターは病院の手術室にも使われている空気中の微細なウイルスも取り除くことができる高性能なフィルターです。
さらに空気の流れは機内の上から下へと流れ、滞留することはありません。
以上のことからIATA(国際航空運送協会)は機内での感染リスクは低いと結論付けています。
✔️ 機内の空気は約3分で全て入れ替わる
✔️ 一部の循環する空気はHEPAフィルターで浄化されている
✔️ 機内の空気は上から下へと流れ、滞留することはない。
✔️ よってIATA(国際航空運送協会)では機内での感染リスクは低いと結論。
実際に機内で私が感じること
実際に普段乗務する中で私が感じた換気に関することについてお話しします。
3分で全空気が入れ替わるという換気能力は確かに強力だと感じます。
操縦室にいても隣のパイロットのお弁当の匂い、体臭とかが匂ってきたことはないですし、おならをしても臭ってしまった、臭ってきたなんて経験もありません。
ただし換気の能力はエンジンの出力の影響を受けます。
つまりエンジンが強く作動している空中では換気能力は高く、エンジンの出力が低い地上では換気能力は下がってしまいます。
地上で駐機中にお弁当を食べると少しその匂いがしてきたりしますので、地上と上空での換気能力の差を体感しています。
ただその差はそこまで大きなものではなく、地上駐機中においても換気は十分にされています。
また、コロナが流行してからは、地上においてもAPU(補助電源装置)を通常よりも使用して換気能力の手助けをしたりと、今までよりも換気能力をできるだけ高めて対応しております。
消毒
機内の座席周辺には抗ウイルスコーティングスプレーを施しています。
また、JAL/ANAともにHPによれば夜間の駐機中にアルコールで座席周辺のアルコール消毒を行っています。
今回調べて初めて知ったのですが、国際線については毎便、便と便の間で消毒していますが、国内線については夜間駐機中にのみ消毒作業をするようで毎便の間に実施しているわけではないようです。
国内線でも毎便間の機内清掃は必ず行われていますが、消毒作業までは行われていません。
よって除菌シートを搭乗時にお配りしておりますので気になる場合はご利用くださいとのことでした。
マスクの着用
乗務員、お客様ともに機内ではマスクの着用をお願いしております。
飛沫感染の予防に効果のあるマスクですが、中にはマスクをしたがらない人もいます。
そういう時はどう対応するのでしょうか?
マスク着用拒否への対応
機内でマスクの着用を拒否したとして逮捕されたという事件もありました。
それくらい厳しくしてほしいという意見も多いですが、でもなぜマスク拒否で逮捕できるのでしょうか? 電車やバスで拒否しても逮捕されるのでしょうか?
そこには航空法によって認められた機長の権限があるからなのです。
飛行機内では機長が乗客を「拘束」することが航空法では認められています。
航空法では航空機内の安全や秩序を乱す項目を「安全阻害行為」と呼び全部で8項目あげています。
この8項目に対して機長は乗客に対して制止したにもかかわらず行為をやめなかった場合にはその乗客を「拘束」することができるとあります。
実際の「拘束」とは結束バンドで手足を縛り座席に座らせることで実行されたこともあります。
乗務員の訓練の中にはこの「拘束」の訓練もございます。
航空法上この8項目だけは機長が「拘束」することができます。そして到着地で警察に引き渡して「逮捕」となります。
マスク拒否で逮捕されたケースでは乗務員の指示に何度も従わなかったので、乗務員の業務を妨げたとして安全阻害行為を働いたと判断されたようです。
本日は機内の環境(ウイルス編)をシェア致しました。
機内での感染リスクは非常に低くなっておりますので安心して空の旅をお楽しみください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
またのご搭乗お待ちしております👨✈️
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