皆さんこんにちは!
前回の到着編の続きでパイロット目線での伊丹空港出発編をご紹介していきます。
滑走路の使い分け
伊丹空港には2本の滑走路がありますがどのように使い分けているのでしょうか??
短い方の32R(A RWY)はERJ170以下の飛行機、長い32L(B RWY)はB737より大きな飛行機といったように飛行機の大きさで使用するRWYが定められています。B737は32Rの着陸はできますが離陸はできません。
RW32Lからの離陸位置
RW32Lからの離陸は1番奥のW1からの離陸は原則不可で1つ内側のW2からの離陸になります。理由は後方への騒音低減のためです。
もしW1から離陸すれば千里川土手にいてもブラストを感じられそうですね!
伊丹空港からの出発経路
伊丹空港への入り口は3つあると到着編で解説しましたが、出発口はどうなっているのでしょうか?
伊丹空港からの出発口、それも3か所あります。
エアラインの旅客機は離陸後、SIDと呼ばれる決まった経路を飛行して航空路へと合流していきます。これは車に例えると、航空路が高速道路本線でSIDが高速道路のインターチェンジにあたります。車がインターチェンジで速度を上げて高速道路本線に合流するように、飛行機も離陸後SIDを飛行して加速したりギアやフラップを収納し加速してから航空路へと合流していきます。
伊丹空港の出発口に相当するSID(=インタチェンジ)は主に3つあります。
東京、東北太平洋側への経路
ASUKA DeaprtureというSIDの経路を使って出発していきます。伊丹空港では最も使用頻度の高いSIDです。チャートにあるFourという数字は何かSIDの改訂があるごとに更新されていく番号です。今は4=Fourですが、次に何らかの改定があったらASUKA 5=Fiveになります。9までいくと1に戻ります。
ASUKAという名前は飛鳥時代に王朝があった奈良県明日香村付近を飛行するので名付けられたようです
北海道、東北太平洋側への経路
MINAC DepartureというSIDを使って出発していきます。チャートにあるTransitionというのはSIDの中の枝分かれした部分のことです。このチャートにはNAGOYA Transitionしか乗っていませんが北海道方面へはGUJYO Transitionというルートを飛びます。管制官からは「MINAC Departure GUJYO Transition」というふうに出発経路を指定されます。
MINACのある甲賀市付近は江戸時代に水口(みなくち)藩が置かれ水口城があったことからMINACと名づけられました。
九州、沖縄方面への経路
TIGER DEPというSIDが使用されます。
TIGERの由来はあの球団であることはすぐにわかりますね(笑)
特殊な騒音対策経路
伊丹空港からの離陸経路は日本で唯一、おそらく世界でもここにしかないような特殊な点があります。それはNoise Corridorという離陸経路です。
Corridor(コリドー)は廊下や回廊といった意味でしょうか。通常SIDでは離陸後の経路が線で決まっていますが、伊丹空港は離陸後しばらくは飛ぶべきルートが線で決まっておらず廊下のように幅がある程度あってその幅の間を飛行するように決まっているのです。
具体的には数の赤いエリアがコリドーになります。便宜的にパイロットはISKというポイントから2.8マイルと3.6マイルの間を飛ぶように心がけていますが、規定上は武庫川と瑞ヶ池と昆陽池で挟まれた区域を飛行してその後SIDに合流するという非常に曖昧な規定になっています。
東風が強い日は流されて武庫川を越えないように注意が必要です!
離陸後に日本列島が見える??
伊丹空港から離陸直後、左側の窓側の席に座っていたら、日本列島が見えます。
Noise Corridorに出てきた昆陽池には島があります。その島が日本列島の形をしているのです!
Google Mapでは「ミニ日本列島」と書かれていました。野鳥の島だそうで普段立ち入りはできないそうです。初めて上空から見た時は感動したのを覚えています。
伊丹空港出発編まとめ
ここまでの伊丹空港出発編をひとつの図にまとめるとこんな感じでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました👨✈️
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