みなさんこんにちは!
エアライン機長のGOROです。
今日はパイロットにとって1番怖い?(人もいる)テストについてシェアします。
それは航空身体検査です!
航空身体検査とは?
それは1年に1回パイロットが必ず受けるパイロット専用の健康診断のことです👨✈️
しかしただの健康診断ではなく、パスしなかったらフライトできなくなるという非常に重要な健康診断です。
この健康診断をパスすれば航空身体検査証明というライセンス(免許証)がもらえ、この期限が1年ポッキリのため毎年この健康診断を受けなければなりません。
パイロットが乗務する時に所持しておかなければならないライセンス類の中にこの航空身体検査証明書が含まれているので、航空身体検査にパスできないとライセンスがもらえずに乗務することができなくなります。
航空身体検査の内容は?

詳しい検査内容の項目は国土交通省より航空身体検査マニュアルとして公表されています。
航空身体検査マニュアル|航空身体検査|一般財団法人 航空医学研究センター
個人的な体験談としては、実際にはここまで詳しくチェックしている感じではありません。
所要時間は待ち時間によりますが、1時間半〜長くて2時間程度の印象です。
実際に私が受けてる検査で見られている内容は
- 眼科(視力、視野、眼圧など)
- 耳鼻科(聴力など)
- 心電図
- 胸のレントゲン
- 尿検査
- 血液検査
- 血圧
- 尿検査
- 内科
- 精神科
といったところでしょうか。書いてみると結構たくさんありましたね。。。
操縦が仕事ですので眼科や気圧の変化の多い職場ですので耳鼻科関連で時間がかかることが多いです。
採用試験における航空身体検査
航空会社の採用試験においても航空身体検査は行われます。
採用試験においてはこの航空身体検査マニュアルよりも厳しめの基準でチェックされているようです。
例えばメガネ、コンタクトの度数の制限ですがマニュアルでは度数±8以内で視力1.0が基準ですが、2022年度のJALの募集要項では度数-6 〜 +2以内で視力1.0が求められています。(ANAは2022年度採用なし)

加齢や訓練などによる視力低下を考慮して少し厳しく設定しているものと思われますが、基準さえ満たしていれば問題なく次の採用ステップには進めるようです。
航空身体検査に引っかかったら??
パイロットも1人の人間ですから体調を崩すこともありますし身体の変化もあります。
身体検査の基準を満たせない時も当然あります。
そういった時は引っかかった項目だけ再検査をしたり、しばらく乗務から離れて身体を整えてからもう一度身体検査を受験することができます。
航空会社も身体検査に通らなくなったパイロットを即解雇していては人員も不足しますし、費用をかけて訓練もしてきていますから損失にもなります。
具体的な数値は私は分かりませんが現役のパイロットのうち数%程度は身体検査で引っかかって乗務から降りている状態にあります。
場合によっては半年や1年といった単位でフライトから外れてる方もいらっしゃいます。
それくらいパイロットにとっては重要な身体検査ですので恐れている人も多いのです。
航空身体検査に向けて気をつけること

1人1人に得意不得意があるように、パイロット1人1人にも航空身体検査の項目に関して苦手な項目があります。
それに引っかからないように個人個人で対策をしていくしかないと思います。
検査の1ヶ月前から禁酒をする人、食事制限をする人いろいろな人がいました。
検査前も大事ですが日常生活から健康に気を配った生活をしていくしかないと思います。
いくら気をつけていても思いもよらない項目で検査に引っかかることもあります。それはその時で割り切って対処していくしかないと思います。
個人的には尿検査で何度か引っかかったことがありました。
どうやら前日に運動をすると翌日の尿検査で尿蛋白や尿酸値が高く出ることがあるようです。ですので前日は安静にするようにしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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